ダーカンプの夢の跡

After the Dream of DARCOMP ブロガーによるリレー形式小説です。先の展開も結末もその時の書き手によって変わるストーリーを書いてます

15. 揉め事にしたくなかったのですみませんとだけ答えておいた

普通にアルバイトと授業で過ごす大学生活の2年目が始まりかけていた。

 

時間が過ぎるのは早いもので、夢のようだった経験をした僕は、その後の展開がわからぬまま時を過ごしていた。実験、レポート、実験、レポート。

 

たまに誘われる飲み会は、なにひとつ楽しめなかった。楽しみ方がよくわからない。化粧を覚えた同級生たちが、一緒にお酒を飲んでくれるということが楽しくないわけではなかったのだが、毎回だれかしらが暴走をして、なにかしらのややこしいことを起こしていく。

 

こないだ参加した会では、知らないOBがきて、ベロベロに酔っ払って女の子にひざまくらをせがんでいた。嫌そうな顔をしながら相手をしている女の子を見かねて、安全地帯の僕のテーブルに呼んだことが気に入らなかったらしく、OBに説教をくらった。

 

理解できなかったけれど、揉め事にしたくなかったので、「すみません」とだけ答えておいた。

 

f:id:summersunday:20170523201332j:plain

 

 

自分に酔うのが好きなので、我慢をすることも美徳だと感じることができた。なんて俺は辛抱強い人間なんだろう。いのちの根が深まっているのではなかろうか、といつか見たポエムの一節を思い出していた。

 

そのあと、女の子から感謝をされたわけでもなかったが、何通かメッセージを交わすうちに、ドライブに連れてってほしいと言われていくことにした。

 

実家の車を買い替えるから買えということで、中古車ショップに売るよりも高額で売りつけられた。都内でありながらも、車があるというのは便利である。

 

ドライブ、という響きに感動しながら、ぎこちなく車内でかける用のCDを借りて準備をした。天気予報を気にしたのも久しぶりだ。行き当たりばったりで生きてきた自分を悔いた。

 

出かけた先は湘南というなんともドライブらしいドライブで、海沿いのカフェでアイスを食べて、大学生らしいデートをした。なにが大学生らしいか分からなかったけれど、誰が見ても大学生らしいと表現できるデートだったと思う。

 

f:id:summersunday:20170523202151j:plain

 

デートを終え、そのまま連絡をし忘れているうちに、女の子からの連絡も途絶えた。

 

実験とレポートの毎日が、すこし彩られた気がした。またもう一度、アカネと会いたい、ふと思い連絡をして、車を手に入れたことを言うと、すぐに乗せてほしいと言ってくれた。ヒデとミユキも誘う展開になり、邪魔だと感じながらも、楽しみにかわりはなかった。

 

4人で出かける2回目のこと。何気ない日常が彩られるといい、そう感じていた。それ以上のことは期待せず。

ダーカンプの夢の跡って?
ブロガーによるリレー形式の長編小説。順番に書き手が思うがままに物語の続きを書いていくことで成立する筋書きのない物語です。書いている私たちにもその行く末は全く予想ができない、そんな試みです。
▶︎第一話から読みたい方はこちら