ダーカンプの夢の跡

After the Dream of DARCOMP ブロガーによるリレー形式小説です。先の展開も結末もその時の書き手によって変わるストーリーを書いてます

4. アイコンタクトで伝えたかった言葉は「がんばれ?」「頼むぞ?」

ビールと共に少しずつ4人はお互いについて語り始めた。

 

ぼく、ヒデ、ミユキ、アカネ。テーブルに4人。

 

ヒデとは中学校から同じだったため、女の子の好みはだいたい知っている。ヒデはミユキちゃんのことが好きなんだと思う。昔から活発で元気な女の子がすきだったから。

 

ぼくはよく、大人しい清楚な子が好きだと言っていた。遠距離恋愛を始めて1か月で振られてから、恋とは遠ざかっていた。

 

食べたことのないルッコラという食材に戸惑いながら、アカネちゃんに話しかけてみる。アカネちゃんもビールを飲んでいる。19歳だったらどうしよう、真面目な僕が顔を出す。

 

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ぼく「今日はどこから来たの?」

 

この質問で分かることがいくつかある。東京でできた友人が言っていた。実家なのか、一人暮らしなら大学がどこなのか世帯収入だって分かってくる。

 

知らない場所だったけど、駅名で答えてくれたんだと思う。どこの沿線なのか聞こうとしたけど、それを聞いても分からない確率が高い。

 

アカネ「大輔くんは、なにかサークルやってる?」

 

大輔くんなんて呼ばれることが少ないせいか、その響きに戸惑いつつ、回答に困る。なにせ実験とレポートとアルバイトしかしていない大学1年間だった。女の子と飲みに出かけることすら皆無。

 

ぼく「ああ、アルバイトで忙しくて、サークルは入ってないんだ。」

 

つまらない男だと思われていそうで自己嫌悪に陥る。それでもアカネちゃんは当然のような質問を続けてくれた。

 

アカネ「なんのアルバイトしてるの?」

 

ぼく「塾とパチンコ屋」

 

塾もパチンコ屋も時給がいいから、という理由で始めた。仕送りももらっていたけど、遊ぶお金は貯まりつつあった。

 

アカネ「休みの日はなにをしてるの?」

 

どんどん繰り出される質問に、積極的な女の子なんだなと思いつつ、自分のことを聞いてくれる子に、嫌な気はしなかった。

 

ぼく「プロ野球、見てるし、球場にもいくよ。」

 

ヤクルトファンなんて、東京でもマイノリティな球団を応援している自分を、果たしてアカネちゃんは分かってくれるだろうか。いちど見に行ってみる、と聞こうとする自分を抑えて、ヒデを見る。

 

ヒデがアイコンタクトをしてうなづく。「がんばれ?」という意味でうなづいたのだろうか。ミユキちゃんにいい噂を流してほしいと言う「頼むぞ?」なのか。

 

今夜は楽しい。純粋にそう思っていた。あんな出来事に巻き込まれるまでは・・。

 

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5. 迷い込んだ雑踏の中で握りしめた手 

ダーカンプの夢の跡って?
ブロガーによるリレー形式の長編小説。順番に書き手が思うがままに物語の続きを書いていくことで成立する筋書きのない物語です。書いている私たちにもその行く末は全く予想ができない、そんな試みです。
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