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ダーカンプの夢の跡

After the Dream of DARCOMP ブロガーによるリレー形式小説です。先の展開も結末もその時の書き手によって変わるストーリーを書いてます

13. 大丈夫だよ、こわくないもん

電気を切ろうとして、アカネがまた驚くことをいいだす、聞こえないフリはもう使えなそうだ。

 

アカネ「さむくないの?一緒にねる?」

 

いろんな思考が頭をよぎる。言葉を失った。

 

ぼく「ああ、って、え?」

 

返した言葉に、女性経験の少なさが相手に伝わったように思う。からかっているのだろうか。明るいアカネにペースを持って行かれている。こちらのホームだというのに。まるでドーハでワールドカップ出場を決める試合をしているかのような緊張感だ。そう、あの日にしっかりと実力を発揮していれば。そう思うことのないように。

 

ぼく「寒いね。リアルに。せまくない?」

 

つとめて冷静に、言葉を慎重に選ぶ。相手がどう出るか。しばらく沈黙になるのだろうか。暖房でもつけようか。

 

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アカネ「だから、一緒にねる?ってきいてんじゃん!ほらほら!」

 

たぶんこのまま横に入ればいいのだろうと思う。この勢いに負けそうだ。しかしこのあと自分は朝まで落ち着かずに眠れない。お酒を飲んだとはいえ、記憶はある。逆にアカネに記憶があるのか心配だ、朝起きて自分が隣に居ることに驚きやしないだろうか。

 

ぼく「うお、だいぶ酔ってるね。さむいけど。」

 

そういうと、少し沈黙があり、これで寝るのかな、という時間が流れた。自分も息を殺すように、目を閉じてみる。

 

アカネ「ふふっ酔ってるのかなあ。でも大丈夫だよ、こわくないもん。」

 

なにが怖くないのかよくわからなかったけれど、冷静だった自分のスイッチが入ったように、特に何も言わずに布団の隣へ入って行った。自分でも正直おどろいている。顔がすぐ隣にあるのは分かった。30センチものさしよりも狭いくらいだった。温かい。

 

ぼく「うお、あったけ!わりいね!寝ようべ!」

 

ふふっと笑われたけれど、なんだか幸せだった。温かい。反対方向を向いて、ニヤついてみた。一緒にクラブで遊んでいた二人、ヒデとミユキになんて話をしよう、そんなことを思っていた。

ダーカンプの夢の跡って?
ブロガーによるリレー形式の長編小説。順番に書き手が思うがままに物語の続きを書いていくことで成立する筋書きのない物語です。書いている私たちにもその行く末は全く予想ができない、そんな試みです。
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