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ダーカンプの夢の跡

After the Dream of DARCOMP ブロガーによるリレー形式小説です。先の展開も結末もその時の書き手によって変わるストーリーを書いてます

14. 大通りにあるチャペルを知ってるんだ、一緒に行こう

ふふっと笑われたけれど、なんだか幸せだった。温かい。反対方向を向いて、ニヤついてみた。一緒にクラブで遊んでいた二人、ヒデとミユキになんて話をしよう、そんなことを思っていた。

 

ぼくはアカネのいる布団にはいり、そしてそのまま横になる。さすがに眠気は限界をこえていた。話しかけようかと思いつつ、あまり頭がまわらない。とりあえず、背中に緊張感が増す。

 

アカネ「ういーー!」

 

思わず動いてしまった。くすぐられて眠気がとぶ。ぼくは脇腹が苦手なのだ。

 

ぼく「おい!ちょっと、おい!」

 

すこし膨れてみたものの、一向にやめる気配がないので手を掴んで寝返りをうつ。

 

アカネ「あれ?あ。」

 

振り返り目が合う。暗闇に目が慣れ、顔や表情もはっきり分かる。真剣な表情で見つめ合ってしまって、ドラマによくあるシーンにいる気分だった。ドラマではたしか、主人公がこのままヒロインに近づくはずなのだけど。

 

ぼく「あ、ごめん。手いたくない?」

 

大丈夫、と笑って返してくれて嬉しかった。どういう状態か二人とも分からないけれど、青春の一ページに刻まれるであろう瞬間であることは勘付いていた。

 

アカネ「いたーい!ケガしたかも。どうしてくれるの?一生かけてつぐなってよね。」

 

アカネが言う冗談が、とても心地がいい。一生かけて、ぼくは彼女の隣で、手をにぎっていてもいいのだろうか。一生かけて、つぐなうものだろうか。

 

ぼく「ああ。これは重傷だ、一生かかるね。そうだ、大通りにあるチャペルを知ってるんだ。一緒に行こう。」

 

途中からbruno marsのmarry youの歌詞を言ってみるが頭に「?」を浮かべているので、おどけて歌ってみる。

 

Marry You

Marry You

  • ブルーノ・マーズ
  • ポップ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

君と結婚したいんだ。そう言いかけて止める。

 

二人とも笑って手を握ったまま、目を閉じる。このまま眠れるような気がした。朝がきて、記憶がないなんて言われたらどうしよう、そう思ったけど、たぶん大丈夫な気がした。

 

・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めて、あたりが明るいことに気が付く。化粧を落としたアカネが隣で寝ている。一人暮らしの冷蔵庫にあった玉子と、パンを焼いて、一緒に食べた。一緒にコーヒーを飲み、付き合っている恋人たちよりも自然に会話をしていた。

 

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そして、なにごともなかったようにアカネは昼前に家を出た。自宅に帰るための電車賃を渡し、また会おうと約束した。楽しい夜だった。青春の一ページに刻まれるべき一日なのだが、果たしてこのあとの展開がどうなるのか、自分でもよくわかっていない。

 

普通にアルバイトと授業で過ごす大学生活の2年目が始まりかけていた。

 

 

ダーカンプの夢の跡って?
ブロガーによるリレー形式の長編小説。順番に書き手が思うがままに物語の続きを書いていくことで成立する筋書きのない物語です。書いている私たちにもその行く末は全く予想ができない、そんな試みです。
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